2021年ワイン仕込み 他のワインとの違い
ワインの仕込みが終わりました。
前田龍珠園の畑は祖父が土屋龍憲氏の息子さんから譲り受けた古い畑です。
土屋龍憲氏とは、フランスに派遣され日本に本格的ワイン醸造法を持ち帰って来た方。
畑の直ぐ側に生家があります。
前田龍珠園ではそのたった一枚の畑で、白ワイン用の甲州葡萄を作っています。
除草剤は一切使わず、全体的には草生栽培で、刈り取った草は畑に残します。畑の周囲、杭や木の周りは手作業で抜き取り、根っこの土を払って、畑の端に積み重ね、根を太陽に向けて枯らします。
1〜2週間すると同じように草が生えて来るので、幾度と無く同じ作業を繰り返します。
もちろん化学肥料は使いませんし、有機肥料も滅多に与えません。
それは60年の古樹の深い根張りからの自力でのミネラル吸収が美味しいワインを造るからです。
そして9月下旬、いよいよ収穫の時です。
先ずは収穫カゴに丁寧に摘み取ります。
取手の部分はなるべく長く切り取り、そして粒が外れないように慎重に丁寧にカゴに入れます。
その後に前田龍珠園ならではの、他のワインと違うこだわり作業があります。
実は再度葡萄を見直し、じっくり選果するのです。
取手を長めに収穫したのは、この作業の為でした。
利き手にハサミ、反対の手では葡萄の取手を摘み360度、また上から、下から、太陽光に透かせたり、反対側からチェックしたり。
枯れた茎、悪い粒、悪くなりそうな粒、虫などを時間を掛けて取り去ります。ハサミや手を消毒しながら丁寧に、丁寧に。
こちらは切り取られた粒の一部です。もったいない様な粒もありますが、美味しいワインを造るためですから仕方がありません。
そしてようやく最高の醸造用葡萄が出来上がります。
これをワイナリーに持ち込んで、搾汁です。
昨年まではノーマル醸造法のアヤモノポール、皮と種と果汁を1日付け込んだアヤマセラシオンペリキューレの2種類を醸造していましたが、今年はもう1種類仕込みました。ご報告は出来上がってからのお楽しみといたしましょう。
今年も仲間達に支えられての作業でした。
毎年の事ですが、忙しい中駆けつけてくれ、本当に感謝しています。
2月か3月頃に、ワインが仕上がります。
楽しみにしていてください!